シティグループ救済案をみるとあの経験を思い出さずにはいられない

 アメリカ政府は23日遅く、混乱する金融市場を治めるために、最大級の銀行グループであるシティグループに対して救済案を発表した。

救済策では、シティが保有する高リスク資産3060億ドルに損失が発生した場合、最初の290億ドルまでをシティが負担する。さらに追加損失が発生した場合も、シティは10%を負担するが、シティの負担額は最大567億ドルに限定される。

米政府がシティグループ救済、不良資産保証・優先株取得へ

 緊急の債務保証といった内容の救済案、それも約30兆円規模という莫大なもの。実はかつてこれに似た救済策が日本で実行されたことがある。
 1998年に破綻した日本長期信用銀行日本債券信用銀行に対する瑕疵担保条項と呼ばれる措置だ。特約の内容は「譲渡から3年以内に、当初の正常債権の判定に瑕疵が生じ、簿価より2割以上目減りした債権は預金保険機構に買い取らせることができる」となっていた。
 この特約の問題点は、下手に再建するよりも、貸出先を破綻させてしまったほうが、特約の条件を満たし不良債権処理に有利に働くというところにあった。
 日本長期信用銀行リップルウッドホールディングスが買収)及び日本債権信用銀行(ソフトバンクグループが買収)が瑕疵担保特約が終了するまでの3年間で、預金保険機構に買い取らせた不良資産は、約400社金額にして約1兆6千億円という莫大なものとなった。むろんこれらは公的資金として、国民の税金により支払われたものである。
 シティグループに対する救済案も、10%の負担があるとしながらもこれに近い。よその国のことだから知ったこっちゃないが、適切な措置とはいいがたい。