三木谷浩史
起業家には、どこかしら達観しているところがあると思います。私も普通のサラリーマンから起業し、周囲がだめだと思うことを次々にやってきました。失敗を恐れません。なぜ恐れないかというと「失敗しても大したことがない」と思えるようになったからです。阪神大震災の翌日、(地元の神戸に)帰ったんですよ。今まであった街が焼け野原になり、公民館に行くと500体くらい遺体が並んでいて、言い方は悪いかもしれませんが、成功しようが失敗しようが、大きな宇宙の歴史で考えると、あまり大したことではないんだと思いました。ある意味、人生は自己満足なのだと思います。その中で自己実現ができればいいんだと。そして私は、単純に自分の夢をかなえるというより、日本を変革するような器の会社を作ることを、自己実現の目標に掲げました。
WEBサービス
WEBサービスを作ると決めた。
WEBサービスを作るのは初めてではない。10年以上昔に、当時流行った「ゆいチャット」というオープンソースのチャットシステムや、BBS、2ショットチャットシステムなどを設置したコミュニティーを作ったことがある。1日のアクセスは100前後で、週末はその倍程度のアクセスがあった。当時はこのようなコミュニティーが乱立していて、その中で私のサイトの規模は上位10%に入ったと思う。その後、私自身が飽きてしまったということでサイトは廃れていった。
今回作ろうと決めたWEBサービスはモバイル向けのものだ。
私はiモードも使ったことがないし、どうも携帯の小さい画面でネットを見ることに不便を感じたため、モバイル向けのWEBサービスの歴史もわからなければ現状も良くわからない。知っていることは、モバゲーやGREEといったゲームとSNSを足したようなサービスが莫大な人気を博しているということぐらいだ。
PCやゲーム専用機のゲームよりはるかにクオリティーの劣るこれらのサービスが人気になっているのは、それがユビキタスだからだ。ユビキタスなWEBサービスはまだまだ新しいアイディアが生まれてくる余地が大きい。今はたまたま選択肢が少ないからモバゲーとGREEに流れているだけだと考えている。そこを攻めていきたいし、それによってもっともっと世の中が楽しく明るいものになればいい。
モバイル向けWEBサービスの開発にはもうひとつ大きな利点がある。開発コストの低さだ。PC向けのサイトと比べると、将来はわからないが現時点ではかなり開発コストが少なくてすむ。単純にWEBサービスが使われる環境の画面のピクセルとPCの画面のピクセルの差だ。解像度が倍になれば開発コストは二乗されるんじゃないかという勝手な計算をしている。
最近はVPSとやらでWEBサービスを展開するようなので、さくらVPSの利用を申し込んでみた。
申し込んで30分ほどで使える。かなり驚いた。
VPSとはなにかすらまったく知らないが、がんばって勉強しようと思う。
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PG経験:Perl、C#、Delphiを計2年
歓迎すべき未来、少子高齢化
少子高齢化社会は暗い未来を想像させる単語だ。落ち込む消費。介護。などなど。
ところが、少子高齢化社会で解決する社会問題もある。それは、学生の就職難という問題だ。意外に思われただろう。
そもそもなぜ、若者は就職できないのだろうか?
就職先がないからだ。
なぜ、就職先がないのだろうか?
就職先がないのは、裏を返せば今働いている人たちで社会の需要に応えるだけの供給をできているからだ。
働けない人たちが働かなくても世の中がまわっている。
かといって、働けない人たちは預金残高が減り続けるという大問題に瀕している。
彼らは親の援助を受けて生活するだろうが、親は親で早く働けとプレッシャーをかける。就職活動をしたって就職できない。いっそ・・
どこが、歓迎すべき未来なんだ糞やろう!
さて、歓迎すべき未来をシミュレーションしてみよう。
まずは人口分布図をイメージしてほしい。今の人口分布は50代をがたくさんいて、そこから両肩下がりの山型を描く。
イメージできただろうか?これらを10年スライドさせてみよう。
今の50代は60代となり、日本式年功序列制度により一斉退職を迎え、年寄りどもは仲良くリタイアする。
彼らは彼らの人生をささげた職場からは消えるが、この世から消え去ってしまうわけではなく、社会とのつながりを消費によって維持する。
つまり、消費人口はほとんど変わらないが、生産人口が大きく減ることになる。消費する商品を作るためには生産人口を維持しなければならない。
この瞬間、働けない人たちは働かなければならない人たちへと変わる。
これまでの歴史では、人口と消費が増えて経済は成長してきた。
これからは、生産人口が減り消費が変わらないという”成長フェーズ”へ入ってくる。生産人口一人当たりの消費がどんどん増えていく。暗いイメージとは逆の、はるかに大きな力となって世の中を驚かせるだろう。人手不足だ。
これからの成長は、これまで用いられてきた絶対値ベースではなく、一人当たりベースでの成長である。
日本のGDPはこれから先どんどん小さくなっていくことは間違いない。
しかし、希望ある成長が、希望のないマイナス成長の中に隠されているのだ。
資産より負債が増えるわけないという単純な話
いきなりわけの分からないタイトルで申し訳ありません。
簿記を知っていれば分かる話ですが、資産より負債が増えるわけがないということを、書いておこうと思います。
負債というのは、誰かに対して返さなければいけないお金のことです。
しかし逆に、お金を返してもらう側から見ると、いつか返してもらえる資産と表現できるわけです。
つまり、負債と資産は一対(いっつい)です。
タイトルの「資産より負債が増えるわけない」は、「負債より資産が増えるわけない」と書くこともできます。もっと正確に書くと「資産と負債は同じ額」といえます。
何でこんなことを書いたかといえば、日本の国債発行残高がドンドン増え続けていることに危機感を持っている方が多いからです。
もちろん、少ないに越したことはないのです。しかし、「このまま国の借金が個人の資産を超えたらどうなるんだろう」なんてことを思っている方が結構いらっしゃるわけです。
このような”誤った”危機感を持つというのは、誰にとってもプラスにはならないと思います。
世の中は単純に、家計と企業と国に分けられます。
企業の持つ資本は、元をたどっていくと株主に、つまり個人に行き着きます。個人は企業に対してお金を貸しているのです。
更に企業は、銀行からもお金を借りていますが、この銀行の貸すお金というのも個人の預金からでています。
このように、国だけではなく企業も、個人に対して多額の負債を持っています。
いま、個人の金融資産は約1400兆円あると言われています。よって企業と国は、同様に1400兆円の負債を持っているということになります。
この資産1400兆円を減らさずに、国債を減らすには、企業がもっともっとがんばって負債を増やすしかありません。
ここで言う負債とは、個人が企業に対してする投資のことです。
以上のことを知っていれば、国債発行残高が増えた恐怖感は、かなり薄らぐのではないでしょうか。また、どのような方向に国が進めば、国債発行残高が減っていくかも分かると思います。
問題は金銭的なことではなく、日本国民が豊かであり続けるためのシステムが、未来に通用し続けるかどうかではないでしょうか。