歓迎すべき未来、少子高齢化

 少子高齢化社会は暗い未来を想像させる単語だ。落ち込む消費。介護。などなど。
 ところが、少子高齢化社会で解決する社会問題もある。それは、学生の就職難という問題だ。意外に思われただろう。


 そもそもなぜ、若者は就職できないのだろうか?
 就職先がないからだ。
 なぜ、就職先がないのだろうか?
 就職先がないのは、裏を返せば今働いている人たちで社会の需要に応えるだけの供給をできているからだ。
 働けない人たちが働かなくても世の中がまわっている。
 かといって、働けない人たちは預金残高が減り続けるという大問題に瀕している。
 彼らは親の援助を受けて生活するだろうが、親は親で早く働けとプレッシャーをかける。就職活動をしたって就職できない。いっそ・・
 どこが、歓迎すべき未来なんだ糞やろう!


 さて、歓迎すべき未来をシミュレーションしてみよう。
 まずは人口分布図をイメージしてほしい。今の人口分布は50代をがたくさんいて、そこから両肩下がりの山型を描く。
 イメージできただろうか?これらを10年スライドさせてみよう。


 今の50代は60代となり、日本式年功序列制度により一斉退職を迎え、年寄りどもは仲良くリタイアする。
 彼らは彼らの人生をささげた職場からは消えるが、この世から消え去ってしまうわけではなく、社会とのつながりを消費によって維持する。


 つまり、消費人口はほとんど変わらないが、生産人口が大きく減ることになる。消費する商品を作るためには生産人口を維持しなければならない。
 この瞬間、働けない人たちは働かなければならない人たちへと変わる。


 これまでの歴史では、人口と消費が増えて経済は成長してきた。
 これからは、生産人口が減り消費が変わらないという”成長フェーズ”へ入ってくる。生産人口一人当たりの消費がどんどん増えていく。暗いイメージとは逆の、はるかに大きな力となって世の中を驚かせるだろう。人手不足だ。
 これからの成長は、これまで用いられてきた絶対値ベースではなく、一人当たりベースでの成長である。


 日本のGDPはこれから先どんどん小さくなっていくことは間違いない。
 しかし、希望ある成長が、希望のないマイナス成長の中に隠されているのだ。