最近の経済状況をみて思うこと
ここ一月半の間に、日経平均株価は3月10日につけた7021円から約25%の値上がりを見せています。為替は一時の80円台から100円前後で安定を見せています。
この好調の背景には、富士通をはじめ大企業が2010年の決算を比較的良い数字で予想していることや、新興不動産の決算がそろそろ一巡するといったところに起因しているようです。利益を外需に依存するような産業であっても、将来に明るい見通しを持っています。
このまま経済は立ち直るのか?
私は先行きを楽観視するのは時期尚早と考えています。
まず直近でもっとも影響力の大きいニュースは、クライスラーの破綻です。
このニュースが最初に出たのは一昨日の夜ですが、日本市場は今日も上昇を続けています。自動車会社本体に、部品メーカーまでほとんどの企業がクライスラー破綻を織り込み済みであるかのように見えます。
一見クライスラーの破綻は、日本の車メーカーにとっては良いニュースであるように思われるかもしれません。競合の減少は販売台数の増加に繋がるように思えます。
長期的に見えれば確かにその通りなのですが、今回のケースでは消費マインドの低下を招くことになります。高い確率でクライスラーの破綻は自動車業界全体に悪影響を及ぼすでしょう。
「クライスラーを買おうとおもっていたが、破綻してしまったのでトヨタを買おう」とは思わないものなのです。
これからのことを予想すれば、クライスラーは解体ではなく再建をされることになると思います。再建にはアメリカ国民の税金が多額に投入されることになるはずです。この行動は直接的には財政赤字を、そして間接的には貿易赤字を拡大させます。
いくらGoogleやMicrosoftがもてはやされようとも、現代でもっとも有力な産業が自動車産業であることには変わりありません。関わっている人数が圧倒的に違うからです。
クライスラーの破綻はアメリカの国力の衰退を意味し、最終的にはドルが強すぎることを示唆しています。
再度円高が進めば、日本の外需依存型産業は更なる衝撃を受けることになるはずです。
今回の不況をアメリカ視点から考えてみると、1.行き過ぎた金融派生商品のレバレッジ、2.アメリカの輸出競争力の低下が、根本的な原因として挙げられます。
アメリカが立ち直るにはこの2点を解決する以外に方法はなく、1点目に関しては目処が立ったものの、2点目が目に見える形で現れたクライスラーの破綻問題をどう解決するかが注視されます。
”対岸の火事”とは思わずに、日本の自動車メーカーのほうから、クライスラーの後処理の青写真を提示するぐらいのことをやってくれると面白いのになあと思います。