北方領土問題進展の裏側
ひょっとしたら麻生内閣が北方領土問題を解決するかもしれない - そのぐらい急速な日ロの歩み寄りが始まっている。
二人の代表は「独創的アプローチ」で解決を目指すとしている。
背景にはロシアの経済不調をあげることができる。
近代ロシア経済のあらましと現状を簡単にしめしてみたい。
ロシアの社会主義が崩壊した直後、社会主義のために疲弊した生産性によって、ロシアは激しい物不足によるインフレに悩まされた。
エリツィンはインフレによる通貨の下落を止めるために、資本主義の導入をはかる。このときロシアでは沢山の銀行や建設業者が設立された。
エリツィンは、国有財産を売却して政府の財源に充てることにしたが、その手法として、政府紙幣のようなものを国民に配布した。
この配布された紙幣を、新興銀行が買い集めることによって、近年新興財閥と呼ばれるような企業家たちは政府系の企業をいくつも買収し、企業グループを形成していくことが可能になった。
この過程で、これら企業家とエリツィンの間に、あまりよろしくない親密さがあったことが知られている。
これに激しい危機感を抱いたのがKGB出身のプーチンとなる。
プーチンは帝政ロシアの分裂を阻止することを目標としているようにみえる。グルジアなどの旧ソ連諸国に対する締め付けを厳しくしているのがその一例だ。
プーチンはエリツィン時代に財を成した新興財閥を片っ端から逮捕拘束することで、国営企業化をはかった。
ところが面白いことに、サブプライムローン問題に端を発する金融危機及び資源価格の下落によって、ロシア経済はまたしても低成長率かつ高インフレという経済状況に陥っている。
ロシア経済は逼迫していて、倒産の危機にある企業を国家が救うという救済リストを作成するまでになっている。これらのリストに名を連ねた企業は、企業の存続の代償として国家の強い介入を受けることになる。
しかしロシアという国家自体にこれら企業群を救済するだけの体力があるかといえば疑問だ。
旧ソ連が崩壊したときのように、再度外貨獲得の手段として国営企業を売却するのだろうか?もちろん売却はしないだろう。
そこで登場するのが日本ということになってくるわけである。
現在すすめられている交渉は、4島の返還は無理でも、3.5島の返還ならばという主旨であるらしい。
もしこの試みが成功すれば、日本が戦後以来始めて陸続きで他国との国境線を持つということになる。