これから起こる市場の動き
金融危機によって落ち込んだ経済は、各国の協調した景気浮動策によって上向き始めた。
自動車に対する補助金は、当然ながら自動車工場の稼働率を上昇させた。雇用及び株価の安定が自動車産業を中心に立て直されるのを見ると、現代の経済がいまだ前時代的な産業の上に成り立っているのを感じずにはいられない。ITだバイオだ環境だといってもベースは自動車なのである。
今日は急激な円高が進み、7ヵ月半ぶりに89円台をつけた。これはまだ始まりに過ぎない。アメリカの貿易赤字がまだまだ改善しない限りドルの下落は止まらない。民主党が政権をとったことの影響もなくはないが、少ない。ファンダメンタルズはドルの大幅な購買力の低下を示している。
さて、気になるのは商品市場のほうだ。これだけ経済が悪化して、現在の10年来で比較すれば高い商品価格を維持しているというのはどういうことだろうか。
今外貨の欲しい産油国なども油をジャンジャン産出しているだろう。にもかかわらず原油価格は71ドルをキープしている。
金融危機は通常の不景気よりもはるかに早く回復する歴史を持つ。世界経済がこれからも高い成長率で消費を拡大させることは必至だ。これからの時代では痛手を負った金融業と製造業が大きな利益をあげながら成長を牽引するというのはありえない。
一次産品の値上がりする条件は需要面・供給面の両面でベストなコンディションにある。世界的なスタグフレーションが起きる。
今最もリスクの少ない投資商品は、一次産品で間違いないと思う。
これから起こる市場の動き
年に何度か、相場の行こうとしている方向が分かるときがある。市場のコンセンサスというかアイディアが浮かぶような感じで。
今も調度そんな感じだ。
結論から言えば、米国債に資金が向かって円高になるというだけの話なのだが。
この予想はこれから1ヶ月以内の近い将来をイメージしている。だから、1ヶ月以内に急激な円高が進まなければ、この予想ははずれたということになる。
前回為替の予想を行ったのは5月1日。このときはクライスラーの事件を受けて、ドルが高すぎることを感じた。
そして今度はGMがいよいよ、といった感じである。
クライスラーそしてGM。アメリカの自動車産業に残された道はただ一つ、どれだけ冷静にBIG3を解体するかということだ。
自動車の工場は、たびたびM&Aの対象となる。しかし、それはすべて比較的古い生産設備の工場だけだ。最先端の工場を売った買ったという話は聞いたことが無い。
自動車というのは意外と同じように見えて各社規格がバラバラだからというのが、その理由といえる。減価償却の終わる前の設備をとっかえるほど自動車は利益率の高い工業製品ではない。
ところが、現時点で売れない自動車を作っている、厳しいことを言えば産業廃棄物を作っているような工場が今アメリカにはたくさんあって、しかも今にも倒産しそうになっているその工場には、何百万人もの人々が勤めている。
「つぶすにはインパクトが大きすぎる」
これらが金融市場に及ぼす悪影響というのは、ベアスターンズをつぶしたときと同じように、若干のタイムラグを経て発動するだろう。
そのタイムラグの発動が調度今、GMの経営陣が自社株を売った今なのだと思う。
北方領土問題進展の裏側
ひょっとしたら麻生内閣が北方領土問題を解決するかもしれない - そのぐらい急速な日ロの歩み寄りが始まっている。
二人の代表は「独創的アプローチ」で解決を目指すとしている。
背景にはロシアの経済不調をあげることができる。
近代ロシア経済のあらましと現状を簡単にしめしてみたい。
ロシアの社会主義が崩壊した直後、社会主義のために疲弊した生産性によって、ロシアは激しい物不足によるインフレに悩まされた。
エリツィンはインフレによる通貨の下落を止めるために、資本主義の導入をはかる。このときロシアでは沢山の銀行や建設業者が設立された。
エリツィンは、国有財産を売却して政府の財源に充てることにしたが、その手法として、政府紙幣のようなものを国民に配布した。
この配布された紙幣を、新興銀行が買い集めることによって、近年新興財閥と呼ばれるような企業家たちは政府系の企業をいくつも買収し、企業グループを形成していくことが可能になった。
この過程で、これら企業家とエリツィンの間に、あまりよろしくない親密さがあったことが知られている。
これに激しい危機感を抱いたのがKGB出身のプーチンとなる。
プーチンは帝政ロシアの分裂を阻止することを目標としているようにみえる。グルジアなどの旧ソ連諸国に対する締め付けを厳しくしているのがその一例だ。
プーチンはエリツィン時代に財を成した新興財閥を片っ端から逮捕拘束することで、国営企業化をはかった。
ところが面白いことに、サブプライムローン問題に端を発する金融危機及び資源価格の下落によって、ロシア経済はまたしても低成長率かつ高インフレという経済状況に陥っている。
ロシア経済は逼迫していて、倒産の危機にある企業を国家が救うという救済リストを作成するまでになっている。これらのリストに名を連ねた企業は、企業の存続の代償として国家の強い介入を受けることになる。
しかしロシアという国家自体にこれら企業群を救済するだけの体力があるかといえば疑問だ。
旧ソ連が崩壊したときのように、再度外貨獲得の手段として国営企業を売却するのだろうか?もちろん売却はしないだろう。
そこで登場するのが日本ということになってくるわけである。
現在すすめられている交渉は、4島の返還は無理でも、3.5島の返還ならばという主旨であるらしい。
もしこの試みが成功すれば、日本が戦後以来始めて陸続きで他国との国境線を持つということになる。
最近の経済状況をみて思うこと
ここ一月半の間に、日経平均株価は3月10日につけた7021円から約25%の値上がりを見せています。為替は一時の80円台から100円前後で安定を見せています。
この好調の背景には、富士通をはじめ大企業が2010年の決算を比較的良い数字で予想していることや、新興不動産の決算がそろそろ一巡するといったところに起因しているようです。利益を外需に依存するような産業であっても、将来に明るい見通しを持っています。
このまま経済は立ち直るのか?
私は先行きを楽観視するのは時期尚早と考えています。
まず直近でもっとも影響力の大きいニュースは、クライスラーの破綻です。
このニュースが最初に出たのは一昨日の夜ですが、日本市場は今日も上昇を続けています。自動車会社本体に、部品メーカーまでほとんどの企業がクライスラー破綻を織り込み済みであるかのように見えます。
一見クライスラーの破綻は、日本の車メーカーにとっては良いニュースであるように思われるかもしれません。競合の減少は販売台数の増加に繋がるように思えます。
長期的に見えれば確かにその通りなのですが、今回のケースでは消費マインドの低下を招くことになります。高い確率でクライスラーの破綻は自動車業界全体に悪影響を及ぼすでしょう。
「クライスラーを買おうとおもっていたが、破綻してしまったのでトヨタを買おう」とは思わないものなのです。
これからのことを予想すれば、クライスラーは解体ではなく再建をされることになると思います。再建にはアメリカ国民の税金が多額に投入されることになるはずです。この行動は直接的には財政赤字を、そして間接的には貿易赤字を拡大させます。
いくらGoogleやMicrosoftがもてはやされようとも、現代でもっとも有力な産業が自動車産業であることには変わりありません。関わっている人数が圧倒的に違うからです。
クライスラーの破綻はアメリカの国力の衰退を意味し、最終的にはドルが強すぎることを示唆しています。
再度円高が進めば、日本の外需依存型産業は更なる衝撃を受けることになるはずです。
今回の不況をアメリカ視点から考えてみると、1.行き過ぎた金融派生商品のレバレッジ、2.アメリカの輸出競争力の低下が、根本的な原因として挙げられます。
アメリカが立ち直るにはこの2点を解決する以外に方法はなく、1点目に関しては目処が立ったものの、2点目が目に見える形で現れたクライスラーの破綻問題をどう解決するかが注視されます。
”対岸の火事”とは思わずに、日本の自動車メーカーのほうから、クライスラーの後処理の青写真を提示するぐらいのことをやってくれると面白いのになあと思います。
内定取り消しのその後
先ほど、内定取り消し問題で大きく報道された日本綜合地所が会社更生手続きを開始しました。
同日、団体交渉を続けていた3学生を支援していた労働組合が、問題を解決したとアナウンスをしていたようです。
2009-02-05
11:19:20 レイバーネット 日本綜合地所の内定取り消し問題が解決
http://www.labornetjp.org/news/2009/1233800359254staff01
↓
17:15 88780 日綜地所 会社更生手続開始申立てに関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120090205091241.pdf
労働組合全面バックアップの元、本日保障内容が決まったというのが11時19分にアナウンス。
日本綜合地所によって内定取り消しにあった学生は53人いて、そのうち50人はすでに100万円を受け取って示談していたようですが、残りの3人は団体交渉を今日まで続けていたようです。
その3人には他の50人と同じく一人100万円が、支援した全国一般東京東部労組に対しては解決金を支払うというのがその内容。
今日これが出たってことは団体交渉をしていた学生にはまだお金は支払われていないんですかね・・・
で、その6時間後に会社が事実上の倒産となってしまったようですね。
内定取り消しどころか、本社の362人の職が失われることになってしまったようです。(社員数も今調べたんですが、この人数に対して53人は取りすぎなような気がしますね。内定式が行われた10月1日はリーマンショック後ですから、もう少し機動的に取り消せたのではないかという気がします。)
派遣切りであるとか内定取り消しについては、社会的に大きなバッシングが行われていますが、会社が倒れてしまっては元も子もないわけで、何か故事にでもありそうな事例といえます。